“サグラダ・ファミリア” 130年たった今でもまだ建設中の世界遺産
ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。
そのころわたくしは、モリーオ市の博物局に勤めて居りました。
十八等官でしたから役所のなかでも、ずうっと下の方でしたし俸給もほんのわずかでしたが、受持ちが標本の採集や整理で生れ付き好きなことでしたから、わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。殊にそのころ、モリーオ市では競馬場を植物園に拵え直すというので、その景色のいいまわりにアカシヤを植え込んだ広い地面が、切符売場や信号所の建物のついたまま、わたくしどもの役所の方へまわって来たものですから、わたくしはすぐ宿直という名前で月賦で買った小さな蓄音器と二十枚ばかりのレコードをもって、その番小屋にひとり住むことになりました。わたくしはそこの馬を置く場所に板で小さなしきいをつけて一疋の山羊を飼いました。毎朝その乳をしぼってつめたいパンをひたしてたべ、それから黒い革のかばんへすこしの書類や雑誌を入れ、靴もきれいにみがき、並木のポプラの影法師を大股にわたって市の役所へ出て行くのでした。
あのイーハトーヴォのすきとおった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモリーオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波。
第1話 出会い
エルフィ | 竜王神祭の準備をするのも大変よね。少し休憩しようかな。 |
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男爵 | あれ?珍しいな。こんなところに、エルフがいる。 |
エルフィ | なに、あのカエル。さっきから、こっちをチラチラ見て。嫌だ・・こっちに来るわ。 |
男爵 | 何してるんですか? |
エルフィ | 何よ? ナンパでもしに来たの? 私は忙しいのよ、あっちに行って! |
男爵 | 違いますよ。エルフがこの街に来るのって、珍しくて・・・ |
エルフィ | 竜王神祭の準備で買い出しに来ているのよ。 |
男爵 | 竜王神祭? 竜王神様の知り合いなの? |
エルフィ | 知り合いというか、私は、身の回りの世話をしているエルフィよ。 |
男爵 | 龍王神様の身の回りの世話か。すごいな・・・ |
エルフィ | ところで、あなたは? |
男爵 | 私は、単なるカエル男爵のケロちゃと言います。みんなは、男爵と呼ぶけどね。 |
エルフィ | 確かに、男爵っていう雰囲気だわね |
男爵 | ところで、買い物はもう終わったの? |
エルフィ | 色々買うのもがあって大変あのよ。そうだ、荷物持つの手伝ってよ。 |
男爵 | いきなりですか!仕方ないな |
エルフィ | 階段の下に荷物あるから持って来て |
男爵 | えー!こんなにあるの? 20袋くらいありますよ |
エルフィ | つべこべ言わないで、私について来て。次に行くわよ。 |
男爵 | とほほ |
綿密に構成された象徴詩的なシンボロジー
わたくしは毎日ずいぶん愉快にはたらきました。殊にそのころ、モリーオ市では競馬場を植物園に拵え直すというので、その景色のいいまわりにアカシヤを植え込んだ広い地面が、切符売場や信号所の建物のついたまま、わたくしどもの役所の方へまわって来たものですから、わたくしはすぐ宿直という名前で